
この記事では、株のトレンドを見極めて、全体の流れを見ながらトータル利益を増やすコツを解説します。
手法もあって、ルールも決まっていて、ムダなトレードはしていないはずなのに、
- まったく稼げない!
- なぜか思った方向に株価が動かない!
- すぐロスカットになる!
そんなことありませんか?
手法も学び、自分で決めたルールも守っているのに、ぜんぜん勝てない…
このときの原因としてまず考えるべきなのが、「市場全体のトレンド」です。
トレンドなんて見る必要ない……そう思っていませんか?
全体の流れを無視していると、せっかくの手法もルールもすべて水の泡になってしまうかもしれません。
そんなことにならないよう、全体のトレンドを見て株で利益を出すポイントをおさえておきましょう!
目次
なぜ株はトレンドを見る必要があるのか
株で勝つには、トレンドを見ることが必要不可欠です。
トレンドにそってトレードするにしても、トレンドに逆らってトレードするにしても、全体の流れがどうなっているかを見極めなければなりません。
株価が全体として、どういう流れで動いているのかを見るのが、トレンドの役割です。
株価の流れを見ることで、トレードで勝つための戦略が立てやすくなります。
たとえば、スポーツの試合なんかを考えてみてください。
試合が進む中で相手チームが思いっきりリードしていたら、こちらは本気を出して攻めなければ、勝ち目はありません。
反対に、こちらのチームが思いっきりリードしていてほぼ勝てるような試合なら、力を温存して、次の試合に備えたほうがいいでしょう。
今、どういう状況にあるかを見極めることは、勝つために一番いい方法を探ることにつながります。
株でいえば、それは株価の流れを見ること。つまり、トレンドを見極めることになります。
株のトレンドを把握することができれば、トータルで利益を出すためのベストな戦略を考えることができるわけですね。
全体としての株のトレンドを見る
ここでポイントになるのは、「市場全体のトレンド」を見ることです。
個別の〇〇っていう銘柄が……という話ではなく、「全体として」っていうところがポイントです。
株の全体のトレンドを見て、それを今度は個別のトレードに生かしていくわけですね。
全体の流れがわかっていないと、個別の銘柄をトレードしても失敗する可能性が高くなります。
これがまさに、「あれ、手法どおりやってるのに、なんで勝てないんだ!?」の状態ですね。
それほど、市場全体の流れというのは影響が強いわけです。
全体のトレンドを見るとは、どういうことか。
例を用いて、簡単に解説しますね。
たとえば、東証1部の銘柄が「1000」あると考えてみてください。
この1000銘柄のうち、今日は999銘柄が上昇した(前日比プラスになった)としましょう。
残りの1銘柄は下落(前日比マイナス)です。
翌日もその翌日も、同じように999銘柄が上昇し、1銘柄が下落したとしましょう。
1銘柄は下落していますが、全体で見たら、どう考えても「上昇」の流れにありますよね。
この状況で東証1部の銘柄をトレードするとして、
- 買いエントリーで株価の上昇を狙う
- 売りエントリーで株価の下落を狙う
この2通りの手法を持っていたら、あなたはどちらを選びますか?
…間違いなく「買い」ですよね?
1000銘柄中999銘柄も上がっている状況だったら、なんの手法もなく適当な銘柄を買ったとしても、ほぼ勝てるでしょう。
市場全体が、買った銘柄のほとんどが上昇する流れにあるからです。
逆に、下がる1銘柄を当てるほうが難しいですよね。
では、ちょっとこれの逆を考えてみてください。
1000銘柄のうち、
- 1銘柄が上昇
- 999銘柄が下落
の状態です。
こんなトレンドの中で、買いエントリーで勝てると思いますか?
ほぼ全部の銘柄が下がっている中、1銘柄の上昇を当てるなんて神ワザにも程がありますよね。
こんな状況だったら、
- 新しく買うのはやめて休んでおくか
- 空売りでエントリーして下落を狙ったほうが
まちがいなくトータル利益は確保できます。
もちろん今回のは極端な例ですが、これが全体としての株のトレンドを意識するということです。
株のトレンドとは何か
じゃあ、そもそも株のトレンドは何のことなのか、もう少し詳しく解説します。
株のトレンドとは、株価が
- 上昇
- 下降
のどちらかの方向に流れが向いていることを言います。
- 株価が上昇の方向に動いているのであれば「上昇トレンド」
- 株価が下落の方向に動いているのであれば「下降トレンド」
となります。
どちらの方向にも向いていないときは、トレンドは発生していない状態です。
トレンドが発生しないことは多々あるので、それもある意味トレンドの一つと言えるかもしれません。
この3パターンのうち、どの状態にあるのかを知るためには、チャートを見ると手っ取り早いです。
- チャートが右肩上がり=上昇トレンド
- チャートが右肩下がり=下降トレンド
- チャートが上がっても下がってもない=トレンドが発生していない
ざっくり言うと、こんな感じですね。
ただ、トレンドというのはすごく曖昧なものなので、こうなったら上昇トレンドで、こうなったら下降トレンド、という明確な境目はありません。
あくまで、だいたいの流れを見るイメージです。
まずはなんとなくでいいので、パッと見で、だいたいどちらに流れが向いていそうか、チェックしてみてください。
株のトレンドを見極める簡単なやり方
全体としての株のトレンドを把握するには、いくつかやり方があります。
僕のオススメを紹介しますので、以下のやり方で試してみてください。
トレンドラインを引く
もっとも王道、かつ細かくトレンド把握をするなら、トレンドラインを引くのが一般的です。
トレンドラインにはいくつか種類があるんですが、全体のトレンドを把握するなら、大きめのラインを引いてみてください。
やり方としてはまず、東証1部やマザーズなど、気になる市場の指標チャートを日足で表示します。
東証1部と2部、もしくは日本株全体の動きが知りたければ、日経平均株価を見ればOKです。
チャートを表示したら、
- だいたい上がってるかなと思ったら、目立った安値
- だいたい下がってるかなと思ったら、目立った高値
をそれぞれ線で結びます。
以下のチャートを見てみてください。
だいたい半年くらいの日足にして、目立った安値を結ぶとこんな感じですね。
大まかに、上昇の流れであることがわかります。
が、これが今度は折り返して、右肩下がりになってきています。
これはもう、明らかに下降トレンドになってきていますね。
このように、線がだいたいどちらに傾いているかを見てください。
- 線が右肩上がりなら上昇トレンド
- 線が右肩下がりなら下降トレンド
- 平行線ならトレンドなし
となります。
チャートツールに、線を引く機能がついていると思うので、試してみてください。
上昇銘柄と下落銘柄の数を見る
先ほどの例でも出したように、上昇銘柄と下落銘柄の差を見るのもオススメです。
トレンドラインを引くより、数字的に流れがどちらにあるのかを見極めることができます。
- 上昇銘柄が多ければ、流れはだいたい上昇に向いている
- 下落銘柄が多ければ、流れはだいたい下落に向いている
ということです。
株初心者にもわかりやすい、シンプルなやり方ですね。
ただし、これだけではしっかりとした「トレンド」を見極めることにはなりません。
あくまで、上昇と下落、だいたいどちらが優勢なのかを知る程度にしてください。
数字の差が大きくなればなるほど、どちらに傾いているのがわかりやすくなります。
「株探」というサイトで市況のニュースをチェックしていると、東証1部の値上がり&値下がり銘柄数が発表されます。
業種別でも、上下の値上がり数を見ることができます。
リアルタイムで知りたい場合は、マネックス証券の投資情報が使えます。
マネックス証券に口座を開いていれば、リアルタイムで東証1部とJASDAQの値上がり&値下がり銘柄数をチェックすることができます。
マネックス証券の【投資情報】で、銘柄数がわかる
口座を開いているだけで見られるので、よかったら使ってみてください。
ご自身の登録銘柄リストを見る
あなた自身の手法で選んだ銘柄リストを見るのも一つの手です。
チャートツールやアプリなどに、候補銘柄を登録していくと思います。
何銘柄か登録すると思いますが、登録銘柄のうち
- 何銘柄が上昇して、
- 何銘柄が下落してるのかを
見てみてください。
これは、市場全体の動向ではなく、あなたが使っている手法においての銘柄群の動向を知るために行います。
手法によっては、市場の動きに左右されないこともあるかもしれません。
そういった場合には、あなた自身が選んだ銘柄を使って、トレンドを見てみてください。
ニュースをチェックする
ニュースをチェックしていると、
- 「日経平均は暴落か!」
- 「日本株が高騰」
などと、全体の株価が動いたときに大きく取り上げられます。
大きく動いていなくても、「日経平均は小幅反発…」などのように、日本株がどう動いているかを知ることができます。
こういったニュースを見ることで、市場がどの方向に動いているのかを把握するのも一つの手です。
「日経平均大暴落。投資家はこぞって撤退」なんてニュースが出ていたら、わざわざ買いに向かう必要はありませんよね。
トレンドを意識して、トレードする
市場全体のトレンドを把握したら、あとはその流れを無視しないことが大事です。
- 上昇の流れになるなら、積極的に買いに向かう(売りを控える)
- 下落の流れにあるなら、積極的に売りに向かう(買いを控える)
ということです。
これは何も、エントリーだけの話ではありません。
たとえば、買って何日か保有している株があるけど、全体の流れが明らかに下降トレンドになってきた。
だったら早く売って(ロスカットして)、撤退しちゃいましょう。
反発するだろうと思って待っていたり、新たに買いでエントリーするなんて、もってのほかです。
そんな危険なカケに出なくたって、また上昇の流れが来るのを大人しく待っていればいいんです。
それでも、もしかしたらチャンスがあるかも…と思ってトレードするのであれば、手をゆるめながらトレードしてください。
株数を減らしたり、ロスカットを早めたりと、「どうせ成功しないだろう」と常に意識しておきましょう。
もしくは、手法を変えるのもOKです。
- 上昇の流れ⇒買いでのエントリー
- 下落の流れ⇒空売りでのエントリー
といった感じですね。
資金が少なくて空売りできないとか、手数料や金利がややこしいとか思われるなら、CFDで日経平均を売ることもできます。
>>CFDとは?少額でもできる、株価指数をトレードする取引方法
とにもかくにも、流れを無視して、ひたすらひとつの手法だけに突っ走るのはやめましょう。
- 流れが来てないときにはしっかり休む(もしくは手をゆるめる)
- 休みたくないなら手法を変える(「買い」と「売り」を両方使う)
といった作戦をとって、流れにそったトレードをしてください。
ただ、念のため注意しておきますが、流れにそっていれば必ず勝てるわけではありませんよ!
上昇トレンドなら買えばいいとか、下降トレンドなら売ればいいとかいう単純な話ではもちろんありません。その点は、お気をつけください。
株には、明確に勝てるタイミングなんて存在しません。
あくまで流れを「参考にしながら」、それに合った作戦を使って、トレードしていきましょう!
まとめ
今回は、株の全体のトレンドを把握することの大事さについてお伝えしました。
個別銘柄のトレードばかりにとらわれて、全体を見ないのは本当に危険です。
というか、もったいないです。
市場全体が今どういう流れにあるのか、そのトレンドを見極めていくことで、より成功する確率を高めることができます。
積極的に攻めたり、手をゆるめたり、手法を変えたり……と、そのときそのときの戦略を立てながら、メリハリをつけたトレードをしていってください。
そうすれば、今よりもずっと、勝ちトレードが増えて、トータル利益も積み重なってくるはずです!
それでは、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。