
10万円程度の少ない資金から株で稼いでみたいという初心者の方へ、10万円で株をやる際の重要なポイントをお伝えしたいと思います。
株というと多額の資金が必要なイメージがあるかと思いますが、少額からでも十分始められます。
確かに、最初の資金が多いに越したことはありません。数百万や数千万、さらに数億といった単位で始めることができれば、その分増えるお金も大きくなります。実際、専業のトレーダーとして株だけで生きているプロたちは、多くの資金を元手にして稼いでいます。
しかしながら、「株をやってみたい!」という気持ちがあっても、最初から多額の資金を用意するのってなかなか難しいですよね。
- そもそも貯金が少ない…
- 貯金があったとしても、株の資金に回すほど余裕がない…
など、「株を始めたくても最初の資金の壁がジャマをする」こともあると思います。
では、どういうポイントに注目すれば、少ない資金でも株を始められるのか。その細かなポイントを、今回の記事ではゼロからじっくりお伝えしていきます。
目次
資金10万円から「株」はできない?
そもそも「株をやる」っていうのは、どういうことなのかを考えてみましょう。
株、つまり「株式」というのは、企業が資金集めのために発行するものです。
企業は運営のためにたくさんのお金をいろんな人たちから集めます。このとき、ただ「お金ください」ではマズいので、代わりに株式を渡します。もし将来、その1株あたりの価値が上がっていたら、株を買った人はその分、利益になるということですね。
つまり、株を買うというのは、
- その企業を応援する(資金を出す)
- 企業が成長したときに、自分も利益を得る
といったことが、そもそもの目的になります。
“株を買って企業の行く末を見守り、その企業が大きくなって株の価値が上がったときに株を売ることで、自分も利益を得る”
これが、いわゆる「株式投資」です。
では、株式投資を「資金10万円」からやるのかというと、ちょっと違います。
厳密に言えば、資金10万円からでもシステム的にはできなくはありません。ありませんが、その場合リターンとして得られる利益が些細なもので終わります。
たとえば、1株1,000円で株式を発行している企業があったとします。10万円あると、ちょうど1株1,000円の株を100株買えることになりますね(手数料などは考えずに)。
では、この企業が3年かけて大きく成長したとして、株価が2倍の2,000円まで上がったとします。すると、1株1,000円で買った株が現在2,000円まで上がったので、持っている100株を売ったとすると、20万円になって戻ってくる計算です。
つまり、3年かけてようやく10万円の利益を得るわけです。ちょっとこれでは物足りないですよね。
1年で見たら3万円ちょっとのプラスです。これなら、ひと月3,000円ずつ節約して、貯金していったほうが早そうな気がします……。
しかも、これはたまたま株価が2倍になってうまくいった例ですが、うまくいかなかった場合は3年かけてマイナスになっているかもしれません。いくらなんでも、かけた時間に対して結果がむなしすぎます……。
このような長い目で見る「株式投資」は、基本的に多額の資金があって初めて実りのあるものとなります。
世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェット氏のように、資金が鬼のようにある場合は、長いスパンの株式投資で大儲けできるわけです。
少ない資金を株で増やすには「トレード」
では、資金が少ない人はどうやって大きなリターンを出すのか。
ここで注目していただきたいのが「トレード」です。トレードというスタイルで株をやれば、資金が少なくても、短い期間で大きな利益を得ることが可能になります。
トレードとは、株式投資の期間が短くなったようなものだと考えてください。いわゆる「投機」、「短期投資」のことです。
トレードは株式投資とは違い、企業にお金を投資してからその成長を長く見守るわけではありません。そうではなく、短期間での株価の上げ下げを利用して、利益を得ていくものです。
企業の成長がまったく関係ないわけではないですが、それよりも、その場の値動きからいかに利益を取れるかが大事になります(参考:初心者向け!株のやり方を解説します)。
こういう投機を行うトレーダーたちがいるおかげで、株式市場の流動性、つまり投資家たちがスムーズに株を売買できる場が保たれているというわけです。
少ない資金で株を始めようと思った場合は、長い目で見る株式投資より、トレードを行っていくがはるかに効率が良いです。
株価は、一日のうちに何十円や何百円と上げ下げする銘柄がザラにあります。
たとえば1日で50円上がる銘柄を100株買っていたら、その時点で5,000円の利益です。これを20回繰り返したら10万円、200回繰り返したら100万円の利益となります。
もちろんこれはただの例なので、実際はこんな一定金額をくり返し稼ぐということは厳しいです。しかし、損益のバランスを調節して短かい期間で売買をくり返していけば、少ない資金からでも大きな利益を生み出すことができるようになるのです。
「資金10万円以下で買える割安株」は意味がない?
「株 資金 少ない」などで検索をかけると、“資金10万円以下で買える割安株” なんてリストが出てくることがあります。
ですが、10万円以下で買える株がわかったところで、あなたが稼ぐことにはつながりません。10万円以下で買える株がわかるだけでは、何の意味もないのです。
あなたの目的は、「株を買うこと」ではありませんよね?
株で「利益を出すこと」のはずです。
10万円で買える株なんて、株価が1,000円以下だったらどの銘柄だって買えます(※手数料含めず、最小単元の100株を買う場合)。ネットや雑誌でピックアップされる銘柄以上に、はるかに多くの安い銘柄が市場にはゴロゴロ転がっています。
ですので、資金が10万円だからといって、10万円以下で買える割安株のようなリストから、買う銘柄を選ばないようにしてください。
買ったところで、その銘柄が上がるかどうかの保証はありません。仮に上がったとしても、どこで売ればいいかわかりませんよね?その後の対応だったり、資金管理がしっかりできていなければ、最終的にあなたの資金が増えるということはないのです。
あなたがやるべきことは、10万円以下で買える株を探すことではありません。10万円の資金内で買った株をうまくトレードして、利益を出すことなのです。
資金10万円で株をトレードするためにやること
では、10万円程度の少ない資金から株で利益を出したかったら、具体的に何をしていくべきか。
少ない資金で株を始めるには、まず実弾を投入する前に手法を学んで、「訓練」すること。それによって、「損をしないようにする」ことが最も大切です。
お金を貯めてから株に手を出そうと思っていても、大損をしない技術が身についていなければ、せっせと貯めた大事な大金がすべてなくなってしまいます。そういう意味では、むしろ最初は練習だと思って、少ない資金から始めるべきです(参考:少額投資が株の初心者におすすめな4つの重要な理由)。
ですが、やはり資金10万円から株をやることの最大のデメリットは、資金がゼロになるスピードが圧倒的に早いということです。何も勉強せずに10万円で株を始めれば、この程度の金額は一瞬で吹き飛びます。びっくりするくらいカンタンになくなるのが株の世界です。
しかも、10万円という少ない資金では、売買の手数料もけっこうシビアな問題になってきます。調子に乗って売買を繰り返してしまうと、その分手数料も増えて、損失も増えてのダブルパンチを喰らいます。
なのでまずは、実際にお金をかけずに、どんな売買をしたらお金が増えて、どんな売買をしたらお金が減ってしまうのか。こういったシミュレーションしてから、実際に少ない金額でゆっくりリアルトレードを始めるのがオススメです。
いろんな銘柄をトレードをして、損失をおさえながら、利益を積みあげていくこと。これが、10万円以下の資金を増やすための、重要なポイントになります。
・まずは手法を学んで、損失をおさえる技術を覚える
・売買手数料を含めて損益のバランスを取る
・リアルトレードの前にシミュレーションする
株で資金を増やすには、売買のルールが必要
さて、次に問題となるのは、どうやって損失をおさえるかですね。
ここで大事になってくるのが「売買のルールを持つこと」です。
ルールなしに適当にトレードしていると、それはただのギャンブルになってしまいます。適当なところで買って、適当なところで売ったら儲かった。これはラッキーですが、毎回そんなカンばかりに頼っていたら、いずれ破滅します。それを回避するため、そしてギャンブルではなく「トレード」を行うために必要なのがルールです。
ルールを作るためには、株価のチャートを使っていきます。
企業の分析とか、株価が割安かどうかとかは、トレードではあまり関係ありません。チャートの形がこうなったら「買い」で、ここまで下がったら「損切りで売る」、ここまで上がったら「利益確定で売る」などを見ていきます。
そして、こういった売買の一連の流れを、ルールとして決めておくわけです。
ルールがあるからこそ「トレード」が「ギャンブル」にならずに済みます。ギャンブルにならないからこそ、「損を回避する」ことにつながるのです。
ルールにのっとって売買することで、規律のあるトレードができるようになり、最終的にトータルでの利益が蓄積します。
ただし、もちろん「稼げるルール」にのっとってやらなければ意味がありません。ルールそのものが適当であれば、いくら売買しても損をするだけになってしまいます(参考:売買ルールを作れば、初心者も株で稼げる?)。
少額資金からのおすすめ手法は?
稼げるルールは、ひとつ絶対的な正解があるわけではありません。資金量やトレードのスタイルによって、やり方が大きく変わってくるからです。
では、10万円くらいの少ない資金から始めたい場合はどんなやり方がいいのかというと、オススメは「短期の急騰を狙う」手法です。
つまり、短い期間でぐーんと株価が上がったところで利益を取り、下がる前にすぐ逃げるという方法です。2日~5日くらいで買いと売りの一往復をするイメージですね。
こういった短期のトレードであれば、
- 何度もくり返せる
- 一回の利益が大きく取れる
- 失敗してもまたすぐ次に移れる
といったメリットがあります。
その反面、すぐ逃げるクセがついていないと、損失が大きくなってしまうというリスクはあります。リスクはありますが、損失をしっかりおさえるよう練習していけば、10万円から資金を大きくするのにはかなり有効な手法になります。
もちろん、1回1回のトレードでいくら大きく稼げたとしても、そのほかのトレードで損してしまっては勝ちが台無しです。
短期の急騰を狙うと同時に、負けトレードの損失を限りなく少なくすることにも意識を注いでいきましょう!
少ない資金からのトレード手法について、詳しくは僕のメール講座でも解説しています。興味があれば、ぜひお気軽に読んでみてください。
まとめ
今回は少ない資金から株を始めるときの重要なポイントを、いくつかお伝えさせていただきました。
まず、少ない資金から株を始めるのであれば、「トレード」というスタイルを使うこと。トレードは、企業の価値にお金を投じるのではなく、短い期間での株価の上げ下げで利益を取っていく株のやり方です。
そして、トレードをするのであれば、「損失をおさえる」ことに集中してください。10万円という資金は適当な売買をすればすぐになくなってしまいます。カンに頼って売買するのではなく、手法をしっかり勉強し、練習してから実際にお金をかけていきましょう。
実際にお金をかける前には、「売買のルール」を作っておくことが大事です。損失を減らし、利益を増やす流れをルール化しておくことで、きちんと利益が積み重なってくるようになります。
「10万円で株が買えるか」ということだけにとらわれず、しっかり「利益を出すこと」を目指して、株をやっていってくださいね。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。