
今回は、株価が上昇する理由について、お伝えしていきます。
株価が上昇するたびに、
- 何であんなに上がったんだろう?
- どんなニュースが出たんだろう?
- 何か大きなイベントが起きたのか?
なんて思われるかもしれません。
ですが、株価が上昇する理由って、実はたったひとつしかありません。
今回はその理由をお伝えするとともに、実際に株価が上昇するタイミングを見極めるコツを紹介していきます!
目次
株価が上昇する理由は、バランスの崩壊
株価が上昇するたったひとつの理由。
それはシンプルに、
- 売り注文数を、買い注文数が上回ったから
これだけです。
これ以外、理由はありません。
そんなの当たり前、屁理屈だと思うかもしれませんが、直接的な理由というのは「買い」と「売り」の需給バランスが崩れることに他ならないのです。
- その株を100円で買いたいという人が100人いる
- その株を100円で売りたいという人が100人いる
この状態では、株を買いたい人と売りたい人の人数がピッタリ合っています。
そのため、価格に差が生まれず、取引は終了します。
ですがこのバランスが、たとえば
- 100円で買いたい人が101人
- 100円で売りたい人が100人
だったとしましょう。
そうすると、1人だけ、買いたい人が余っている状態ですね。
ですがこの人はどうしても株が欲しいので、100円ではなく、101円に注文を変更することにします。
すると、101円に買い注文が入ります。
もし、101円でも買えなかったら、102円に買い注文を出すことになるでしょう。
こんな人が、1人ではなく1万人いたらどうでしょうか。
買い注文数と売り注文数のバランスが一気に崩れて、株価が上昇していくわけですね。
今はわかりやすいように「人」で説明しましたが、正確には「注文の数」です。
1人の人が、何株も欲しがることだってあるので、大金を持った1人の人のせいで、株価が動くこともあるわけです。
このことから、何がわかるのか。
それは、大金を持った人間の気分次第で、企業の業績なんかにまったく関係なく、株価は上昇することもあり得るということです。
いくら企業の業績がよかったとか、将来的に成長しそうだと言われたとしても、多くの注文数を出せる人間が集まったら、株価は一気に変わります。
なぜなら、株価が上昇する理由は、売りと買いのバランスが崩れることだからです。バランスが崩れさえすれば、バランスを崩した理由というのは正直どうでもよくなります。
なぜなら、僕らが取るべき利益は、バランスが崩れたときの「差額」からしか生まれないからです。
どうでもいいというか、どうがんばってもわからないと言ったほうがいいかもしれません。
業績が悪かったのに、株価が上がった……。これは、企業の業績うんぬんではなく、さまざまな理由で買いたい人が増えたからですね。
買いたいと思った人たちが、それぞれ「なんで買いたいと思ったのか」なんて誰にもわかりません。
そういう意味で、株価が上昇する直接的な理由というのは、買い注文数が売り注文数を大きく上回ることでしかないわけですね。
株価が上昇する理由がわかると、何がいいのか
株価が上昇する理由は、注文数のバランスが崩れるからだとお伝えしました。
ここで、きっとあなたは多かれ少なかれ、こう思ったはずです。
「……で?」
ニュースが出たとか、企業の業績が良いからとか、そういう理由は直接的に関係しているわけではない。じゃあ、それがわかったところで何の役に立つのかって話です。
実は、このことがわかっているかわかっていないかで、トレードに対する姿勢がぐんと変わってきます。
株価が上昇する理由がわかったところで、実際のトレードに使える考え方を、順番に見ていってみましょう。
1.ニュースや決算に固執しなくなる
株価が上がる直接の理由がニュースなどではないと、ハッキリと理解していると、ニュースや決算の情報に固執しなくなります。
- ニュースでこう言ってたから、絶対上がるはずだ!
- 決算が良かったから、絶対上がるはずだ!
こういった、謎の自信が生まれてこなくなります。
株価が上がる理由はバランスの崩壊によるものでしかないので、ニュースや決算で上昇を信じこむのはとてつもなく危険な行為です。決算がよかったからといって、上がる保証はどこにもありません。
決算がよくても、ものすごいニュースが出たとしても、下がるきは下がるものです。
それは単純に、その株を買いたいと思う人が増えるかどうかの問題だからです。買いたいと思う人が増えれば上がりますし、良いニュースを見て売りたいと思う人が増えれば、下がるわけです。
このことがわかっていれば、ニュースなどにしばられる理由がありません。
外からの情報を信じすぎる前に、株価の動きをしっかり見極めて、注文をいじることができるようになります。
2.株価のバランスに注目するようになる
株価の上昇がバランスの崩壊によるものだとわかれば、もちろんそのバランスの部分に目がいくようになります。
- どこでバランスが崩れやすいか、
- どこに買い注文が多く入ってきそうか
こういった視点で、株価を追っていくのがひとつのコツです。
そのためには、外部からの情報を遮断して、株価のバランスに注目をするようにしてください。
- 買い注文がどのくらい増えてきたか(減ってきたか)
- 売り注文がどのくらい増えてきたか(減ってきたか)
買い注文と売り注文の2つの数を見ていくことで、株価の動きの流れが感覚的につかめるようになってきます。
もちろん、それで株価の上昇が確実に予測できるわけではないですが、ある程度の仮説は立てやすくなります。
チャートから株価の上昇を探すコツ
では実際に、株価が上昇する際のバランス崩壊を意識するには、どこに注目すればいいのか解説します。
やり方は2つあります。
- チャートの「波」を見る
- 板の注文数を実際に確認する
特に、1の「チャートの波を見る」ほうが重要です。
具体的に解説してきます。
1.チャートの「波」を見る
チャートの波とは、
- これまで株価がどういう動きをしてきたか
に注目をすることです。
以下の2つのチャートを見てみてください。


上のチャートは、下のほうで横ばいの状態がつづいてから、大きな陽線が出て上昇しているのがわかります。
上がりもせず、下がりもせずの状態がしばらく続いている間に、移動平均線の向きも右肩上がりに変わりそうです。
このように、下のほうで停滞しているときというのは、売り買いのバランスがそこそこ平衡に保たれている状態です。
この平衡が崩れて上に行った瞬間に、株価は上昇するのではないかという仮説が立てられます。
下のチャートは、同じく大きな陽線が出ていますが、移動平均線が下向きのままひたすら下がってきたチャートです。
そこから突然の反発をしていますが、この急速な動きでは、まだまだ売りの勢いが強そうに見えます。
ここから一気にバランスが逆転するのは、ちょっと難しそうですよね。
バランスというのは、平衡に保たれた後に崩壊しやすくなります。
- バランスが乱れている(株価が上下している)
↓
- バランスが整う(いったん横ばいになる)
↓
- バランスが乱れる(株価がまた上下する)
の連鎖がつづいているイメージですね。
こういう視点でチャートを見てみると、どの銘柄が上がりやすいかという判断のひとつの参考にできます。
バランスが乱れまくっている途中の銘柄にエントリーするのではなく、保たれていたバランスが崩れかかっている銘柄にエントリーする考え方です。
もちろん下に崩れれば下に行く可能性が高くなるので、「買い」でエントリーするなら、上に崩れかかっている銘柄を積極的に狙っていきましょう。
銘柄候補がたくさん出たときなんかに、絞り込むのに使えますよ。
波を読むには、「移動平均線」がかなり役に立ちます。
移動平均線については、こちらの記事も参考にしてください。
>>移動平均線とは?見方、計算方法など株価の流れを見るテクニックを解説!
2.板の注文数を実際に確認する
板を見ながら、実際に売り買いの注文数を見るのもひとつの手です。どちらの注文数が多いか少ないかを見極めることができるので、バランスの参考なります。
が、これはあくまで補足的に見るといいと思います。
なぜなら、売りと買いの注文数に差があっても、けっこう頻繁にひっくり返ることがあるからです。
たとえば、買い注文数が売り注文数の2倍あるからといって、買いのほうが強いとも限りません。
その数分後には、立場が逆転することもおおいにあり得るので、注文数の差だけを見て買ってしまうのは非常に危険です。
チャートの動きともあわせて見ながら、板に表示される注文数は、あくまで参考程度に見るようにしてください。
以上2つのポイントに注目しながら株価を追ってみることで、値動きのリズムがつかめるようになります。
バランスの崩れやすいポイントというのが見えてくるようになるので、株価が上昇するタイミングをつかみやすくなりますよ^^
まとめ
株価が上昇する理由について、その本質的な部分を解説させていただきました。
何かの銘柄で一気に株価が上がると、その企業に何かあったのかと思いがちです。
もちろん、ド派手なニュースが出て株価が上昇することも多々あるわけですが、本当の直接的な株価上昇の理由というのは、買い注文数が売り注文数を超えているからです。
このことを意識してチャートを見てみると、感覚的にこれから上がりそうなポイントが見えてくるようになります。
手法やあなた自身のルールと合わせて、生き物である株価チャートの流れも追うようにしてみてください!
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!