
この記事では、株初心者向けに覚えておくべき株の買い方をお伝えします。
「株を買う」と一口に言っても、その注文方法はさまざま。むしろ、ありすぎて困りますよね。
特に株初心者の方は、どういう買い注文をすればいいのか、迷ってしまうかもしれません。
そこで、株初心者が知っておくと便利な株の買い方7つのパターンをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
目次
株を買うときの手順
まず、初心者の方向けに株を買う手順を簡単に説明しておきます。
株を買うには、以下の流れで行います。
- 証券口座を開く
- 銘柄を選ぶ(株価を見る)
- 株数を決める(1単元100株からが基本)
- 注文方法を決める
まずは証券口座が整っていなければ、株を売買する場が整っていません。証券会社にまだ口座を開いていない場合は、ここから始めてください(>>株を始めるのにおすすめの証券口座5選+おまけ)。
つぎに、買いたいと思う銘柄を選びます。株価をしっかりチェックして、買える範囲の銘柄を選びましょう。銘柄選びのコツに関しては、こちらの記事を参考にしてください(>>株トレードで狙うべき銘柄とは?)。
銘柄を選んだら、その株をいくら買うのかを考えます。1単元100株からが基本です(100株ごとに買う)。買った後に株価が下がることを想定して、いくらまでリスクを取れるかで株数を考えましょう。
初心者のうちは、資金のある人でも最小単元の100株だけ買うことを強くオススメします。まずは小さな株数で、だんだんと取引に慣れていってください。計算用のツールも用意してあるので、よかったら活用してください(>>ロスカット&利確 計算シミュレーション用ツール)。
ここまで決まったら、いよいよ注文です。
「株を買う注文を出す」=「株が手に入る」ではない
よく勘違いしている人がいるのですが、株は注文を出した瞬間に買えるわけではありません。
注文はあくまで注文です。その注文が成立するかどうかは、注文を出したあとの話になります。
たとえば、現在見えている株価が「1,000円」の銘柄があったとします。「この株を買いたい!」と思って、買う注文を出したとしましょう。
このとき、注文ボタンをクリックするわけですが、この瞬間はまだあなたの手元に株はありません。
注文を出したのは、あくまで「買いたいという意思表示」をしただけです。
注文後に売り手を探して、見事マッチングした場合に、株が手に入るようになります。このことを、「約定」と言います。
約定までコンマ数秒で終わることもあれば、永遠に約定しないことだってあります。注文を出したからといって、必ず約定するわけではないので、初心者の方は注意しておいてください。
ではここからは、株を買うときの注文方法を7種類ほどピックアップして、紹介していきます!
株の買い方1.「成行」で買う(基本)
「成行」は、買いたい値段を指定せずに注文する方法です。
簡単に言ってしまえば、「とにかくいくらでもいいから買う」ということ。今すぐに買える最安値の値段で、買いが約定します。
株価というのは、秒単位で常に動いています。仮に、あなたが買いたいと思った値段を指定したとしても、注文を出した瞬間にその値段で買えるとは限りません。
しかし「成行」を使えば、値段は指定できないものの、ほぼすぐに買うことができるわけです。
ただし、値段を指定しない分、思ったよりも高く買ってしまうことがあります。というか、少し動きのある銘柄だったら、今見えている価格よりもだいたい高く買ってしまうと思っておいたほうがいいです。
たとえばこんな板があったとします。
「成行」で100株注文すれば、売り注文が500株出ている「1,001円」の値段ですぐ約定します。売り注文500株のうち、100株分がマッチングしたということです。
このときの株価が「1,000円」と表示されていたとしても、今すぐ売り注文とマッチできる価格で約定するわけですね。
なるべく安い値段を指定したほうが、もちろん得ではあります。ですが、株価が落ちてくるまで待っていても、そのまま落ちてこない可能性だってあるわけです。
そうなると、そのまま上昇しつづけて、株が買えなくなってしまうかもしれません。株が買えないまま上がっていったら、「あー、あのとき買っておけばよかった!!」と後悔してしまうでしょう……。
そんなリスクを避けるために活用できる株の買い方が、「成行」になります。
株の買い方2.「指値」で買う(基本)
「成行」と反対になる買い方が「指値」です。
「指値」は、買いたい値段を指定して買う方法です。「成行」とちがって、その値段にならないと買えません。
つまり、「いくらでもいいから買う!」ではなくて、「この値段まで安くならないなら買わないぞ!」という意思表示になります。絶対に安い株価で買いたいときに使う注文方法ですね。
先ほどの板で、少し安い「999円」で買いたいとしましょう。
「999円」で買うには、「1,000円」の買い注文200株を消費して、さらに「999円」の300株の枠に入らなければなりません。それだけ、売り注文が多くなる(=株価が下がる)ときに、初めて買うことができるわけです。
指定した値段よりも高くなることはないので、思った以上に高く買ってしまった、というリスクは避けられます。
しかしその一方で、指定した値段まで株価が落ちず、そのまま上昇して置いていかれる……といった別のリスクもあります。
株の買い方3.「逆指値」で買う(応用)
上の2つは、株の買い方の基本です。少し応用した買い方でオススメの買い方が、「逆指値」です。
「逆指値」で買いの注文を出すと、指定した値段まで株価が上がったら、買い注文が発動されることになります。いわゆる時限装置ですね。
たとえば、今見えている価格が「1,000円」だったとして、「1,100円」で逆指値したとします。
すると、「1,100円」になるまでは、あなたが株を買いたいという意思表示は行われません。「1,100円」になったときに初めて、買い注文が出されます。
このときの買い注文は、上で書いた「成行」か「指値」のどちらかを選ぶことができます。
- 逆指値→成行
- 逆指値→指値
の、どちらかのパターンになるわけですね。
株価が上昇してくるようなら買いたい……けど、場を見られない……そんなときには、ぜひ「逆指値」を活用してください。
株の買い方4.「寄成」と「寄指」(条件付き)
上の1~3がメジャーな買い方ですが、あと「執行条件付き」と呼ばれる注文方法もあります。
その中でも覚えておくといいのが、「寄成」と「寄指」です。特に、「寄成」はけっこうオススメですね。
寄成とは、「寄り付きで、成行注文を出す」ということ。寄り付きで、という条件が付いています。つまり、寄り付きの価格で、成行で買ってくれる注文のことです。
寄り付きとは、株式市場が始まることを言います。朝の寄り付きは9時なので、9時にその日の株価の最初の値段(=始値)が決定します。
始値で買いたいという意思表示が、「寄成」になるというわけですね。
また、後場の始値で買いたい場合は昼休み中に「寄成」注文をすると、後場の寄り付き(=12:30)で成行買いをすることになります。
「寄り付きで指値」をしたかったら、「寄指」となります。この場合、寄り付いたと同時に値段を指定する指値注文が発動されます。
株の買い方5.「引成」と「引指」(条件付き)
寄成に対して、引けの値段で買う買い方が「引成」と「引指」です。特に「引成」はオススメです。
引成は、「引けで、成行注文を出す」ということ。引けの価格で、成行で買ってくれる注文のことです。
引けとは、株式市場が終わることを言います。
大引けは15:00で、一日の最後の時間につく株価(=終値)が、引けで表示される株価です。
引けのタイミングで買うことができるのが、「引成」ということになります。その日の終値ぴったりで買いたい場合は、「引成」を使いましょう。
また、前場のうちに「引成」で注文すれば、前場の引け(=11:30)で成行注文となります。
「引けで、指値注文を出す」場合は、「引指」にしてください。
株の買い方6.OCO注文で買う(さらに応用)
ここからは少しマニアックな注文方法ですが、初心者でも比較的買いやすい買い方を紹介します。
場が見られない、サラリーマンの方などにオススメなのが、「OCO注文」です。
OCOとは、「One side done, then cancel the other order」の略。つまり、2つの注文を同時に出して、片方が約定すれば、片方はキャンセルされる注文方法です。
2つの注文とは、「指値」と「逆指値」の注文になります。
たとえば、現在の株価が「1,000円」だとしたら、
- 900円まで下がったら買いたい…
- でも、1,100円まで上がっても買いたい…
なんてときに使える注文方法です。
この場合、
- 900円で指値
- 1,100円以上で逆指値
という2つの注文を同時に出すことができます。
証券会社によって、この注文が使える場合と使えない場合があるので、注意してください。
株の買い方7.IFD注文で買う(さらに応用)
「IFD注文」も、場が見られない方にはものすごくオススメできる注文方法です。
IFDとは、「If done」の略。カタカナで、「イフダン注文」なんて言ったりもします。
これは、「もし約定したら、決済の注文も自動的に出すよ」という注文方法。つまり、「買い」と「売り」の注文を同時にできるすぐれものです。
ロスカットの設定が自動でできるので、場が見られないときに株を買う場合は役に立ちます。
たとえば、現在の株価が「1,000円」の銘柄に目をつけたとして、「900円」まで落ちたら株を買いたいとします。
でも、あなたは仕事で場が見られません。
そんなときは、
- 注文① 900円で指値買い
- 注文② 850円で逆指値売り(ロスカット)
などと注文を出しておきます。
株価が900円まで落ちて注文①が約定すると、あなたが何もしなくても、自動的に注文②の逆指値も出してくれます。
ロスカットを焦って設定しなくてもいいので、時間のない方や、ロスカットを忘れそうな方もぜひ使ってみてください!
この買い方も、証券会社によって使える場合と使えない場合があるので、注意してください。
まとめ
今回は、株初心者が覚えておくといい株の買い方を解説しました。
ここには書いてない細かい買い方もまだまだありますが、今回の7つ(とりわけ、最初の3つ)を覚えておけば、しっかり利益の出る株トレードを始められるはずです。
最初から全部の注文方法を使いこなす必要はありません。
慣れてきたら、いろいろな買い方を試してみて、あなたに合ったトレードスタイルを確立させていってくださいね!
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。