
株初心者の方に向けて、この記事では株のチャートの見方をみっちり解説します。
株で稼ぎたいと思ったら、チャートの分析は絶対にやるべきことの一つです。
特に、株価の差額から利益を取っていく「トレード」では、チャートを見ないと何も始まりません(>>トレードと投資についてはこちら)。
そのくらい株のチャートは大事なものになります。
とはいえ、株のチャートを勉強するには、ネットも本も含めて、あまりにも情報が溢れすぎています。勉強すればするほど、逆に混乱してしまう場合もあるでしょう。
なので今回は、株初心者の方でもわかりやすくなるよう、基本的なポイントをシンプルにまとめました。
この記事を読んでいただければ、株チャートについての最低限の知識は身につきます。
これから株で稼ごうと思っている方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
株のチャートとは?
チャート、チャートってよく言いますが、そもそも株のチャートとは何なのでしょうか。
ずばり、チャートとはこれのことです。

一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか?
この棒グラフの並びみたいなものこそが、株のチャートになります。
このグラフは、基本的に「株価の流れ」を表しています。
ある銘柄の株価かもしれませんし、日経平均株価などのいわゆる「指標」となる市場全体の株価の流れかもしれません。
いずれにせよ、株のチャートを見ていくことで、そこに表される株価が
- これまでどう動いてきたかがハッキリわかり、
- これからどう動いていくかのシナリオを立てられる
ようになります。
つまり、株のチャートには、あなたが株で稼ぐためのヒントが、たくさん散りばめられているということです。
株で稼ぐのであれば、チャートの性質をしっかり知っておく必要があるわけです。
株のチャートからわかること
では実際に、株のチャートを見たら何がわかるのでしょうか?
ここでは、以下の2つのポイントを解説します。
- 株価の流れ
- 投資家の心理
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
株価の流れ
先ほども少し言いましたが、まず株のチャートからわかるのは「株価の流れ」です。
チャートを見れば、株価が過去にどういう動きをして、今の株価になっているのかがわかります。
それも、1年、1ヶ月、1週間、1日、1時間、1分といった具合に、どれだけでも細かくして動きを把握することができます。
大きい時間枠で見るなら、たとえば
- 半年前には1,000円だった株価が、3ヶ月前には700円になり、今は1,200円になった
とか、小さい時間枠で見るなら、
- 30分前には1,000円だった株価が、15分前に1,010円になり、今は1,000円に戻った
とかですね。
これまでどう動いてきたかというのは、今後の株価の動きをある程度考えてみるのに大いに役立ちます。
ものすごく単純な話でいうと、700円→800円→900円と上がってきていたら今後も上がりそうな気がしますし、900円→800円→700円と下がってきていたらまだ下がりそうな気がする、というような感じです。
もちろん、現実はここまで単純ではないですが、チャートそのものも複雑な応用がたくさんあります。分析方法もさまざまです。
が、ここではシンプルに、過去の流れを見ることが、株で利益を出すために必要なことであるということを、わかっていただければOKです。
投資家の心理
さて、チャートからわかるのは株価の動きだけではありません。
実は、株価のチャートは「投資家の心理」を表しています。
かみくだいて言えば、「株を売買した人たちが、どんな気持ちでその売買をしたのか」が、ざっくりと見えてくるということです。
たとえば、700円→800円→900円と動いてきたところで、そのあと急に1,500円になったらどうでしょう?(実際にはそんなことまず起きないですが、わかりやすく極端な話をしています)
チャートを見れば、900円から一気に1,500円まで吹き飛んでいるのが、グラフで一瞬にして判断できます。
そうなると、この900円のタイミングで、多くの投資家たちがものすごく「買いまくりたい!」という気持ちになったことがわかります。
なぜなら、投資家が「買いたい」と思って株を買わない限り、こんなに急上昇することはないからです。
反対に、そのあと思いっきり株価が下がったとすれば、そこで「売りたい」という気持ちが強くなったことがわかります。
数字だけで見ているとわかりづらいものが、グラフとして目で見ることができれば、一瞬で頭に入ってくるんですね。
そういった投資家たちの心理を見ていくことで、あなた自身もどういう動きをしていけばいいのかの判断がつきやすくなるわけです。
株のチャートを読むには、ローソク足を知る
次は、株のチャートに現れるグラフについてです。
先ほどから、棒グラフ、棒グラフと言っていますが、この棒グラフのことを「ローソク足(あし)」と呼びます。
形がローソクみたいだから、ローソク足です(笑)

ローソク足には、
- 陽線
- 陰線
の2種類があります。
「陽線」は、株価が上がったときに出るもの。「陰線」は、株価が下がったときに出るものです。色の違いで判断されます。
陽線の色が世界で統一されているわけじゃないですが、たいていの場合、モノクロなら「白」が陽線で、「黒」が陰線です。
カラーだと、「赤」や「オレンジ」が陽線になることが多く、「緑」や「青」が陰線になることが多いように思えます。
ローソク足の見方
ローソク足を一本見ると、その時間帯における4つの株価がわかります。
- 始値
- 終値
- 高値
- 安値
です。
「始値」が動きが始まったところの株価で、「終値」は動きが終わったところの株価。
その間の、もっとも高い株価が「高値」で、もっとも安い株価が「安値」です。
この4つを表すのに、ローソク足には「実体」の部分と、「ヒゲ」の部分がついています。
実体の部分が「始値」と「終値」と表し、ヒゲの部分が「高値」と「安値」を表しています。
ちなみに、上につくヒゲは「上ヒゲ」といい、下につくヒゲは「下ヒゲ」と言います。
陽線の場合、実体の下から株価が始まり、安値や高値のヒゲがついて、実体の「上」の終値で一連の動きが終了します(株価が上がるイメージ)。

陰線の場合は、実体の上から株価が始まり、ヒゲがついたあと、実体の「下」で終了します(株価が下がるイメージ)。
陰線のローソク足の見方
このローソク足のおかげで、株価の動きが始まってから、どういう動きをしてきたかが一目瞭然となるわけです。
ローソク足の時間帯による種類分け
始まりや終わりと言ってきましたが、どこが始まりでどこが終わりかは、見るチャートの種類によって異なります。
最初にも少し述べたように、チャートはあらゆる時間帯で表示することができます。
見る時間帯によって、「〇〇足」という名前がついています。
- 月足……1本のローソク足が、1ヶ月の株価の動きを表す
- 週足……1本のローソク足が、1週間の株価の動きを表す
- 日足……1本のローソク足が、1日の株価の動きを表す
- 5分足……1本のローソク足が、5分間の株価の動きを表す
- 1分足……1本のローソク足が、1分間の株価の動きを表す
だいたいよく使うのはこの5つだと思います。
全体での動きを見ながら、細かい動きも見るというのが、うまくチャートを見るコツになります。
ローソク足の強弱を見る
ローソク足を見る中で意識するといいポイントは「強弱」です。
つまり、そのローソク足が出たときに、株価の勢いが強いか、弱いかを判断するわけです。
この強弱が即座に判断できるのも、ローソク足のいいところになります。
どうやって強弱を判断するかというと、
- 一気に上がったか(下がったか)
- 下がりそうなのに上がったのか(上がりそうなのに下がったのか)
を見ていきます。
具体的には、「実体とヒゲの長さ」に注目してください。
実体が長ければ、始値から終値まで同じ方向を向いていたことになるので、その勢いは強くなります。
実体が短くてヒゲが長かった場合、始値と終値の間で株価が乱高下したことになるので、勢いが一直線ではありません。
…言葉で言ってもわかりづらいと思うので、一例を図で見てみましょう。
これは、実体の長い陽線です。ヒゲは上にほんの少ししか付いていません。
この場合、始値がスタートしてから、終値にかけて上がっていき、最後にちょっとだけ下がったことを示します。
チャートのイメージで見ると、こんな感じです。

この状態だと、上昇する勢いがかなり強いと言えます。
次に、上ヒゲのある陽線です。
この場合、始値がスタートし、一度高値をつけてから、また下がってしまったことになります。
チャートのイメージで見ると、こんな感じですね。

つまり、「上がろうとしたのに、上がり切れず、下がってしまった」状態になるわけです。
これでは、勢いが強いとは言えません。
このように、実体とヒゲの長さを見ることで、その株価がどう動いたかを判別し、勢いの強弱を見ることができるようになります。
ローソク足に慣れてくると、パッと見て株価の強弱が感覚的にわかるようになってきます。
なので、たくさんのチャートを見て、どんな勢いでどういう動きをしているかをチェックすることがポイントです。
株のチャートからトレンドを探る
株のチャートを見るうえで注目すべきなのは、「株価のトレンド」を探ることです。
チャートとは、これまでの株価の動きを一発で可視化することのできるすぐれたツールです。
全体の動きを視覚化するもっとも重要な意味は、目で見て株価の流れをつかむことになります。
具体的には、
- 株価がだいたい右肩上がりになっているか
- 株価がだいたい右肩下がりになっているか
を見ていきます。
右肩上がりなら「上昇トレンド」となり、上へ行く勢いが強い状態。
右肩下がりなら「下降トレンド」となり、下へ行く勢いが強い状態です。
トレンドについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
>>株のトレンドを見極めて、全体の流れを知る!その必要性は?
高値圏と底値圏
チャートを見るときに、現在の株価が高値圏にいるのか底値圏にいるのかを見極めるのも大事になってきます。
- 高値圏とは、チャートの上のほう
- 底値圏とは、チャートの下のほう
のことです。
どこからが高値圏に入るのかとかいう定義はありません。
ざっとチャートを見てみて、だいたい3分割くらいしたときに、上のほうを高値圏、下のほうを底値圏というイメージです。

高値圏に株価がいればすでに上がってきたことを示しますし、底値圏にいればだいぶ下がっていることを示します。
高値圏ならもうすぐ下がるかもという予想が立ちますし、底値圏ならまだまだ上がるかもしれない予想が立ちます。
もちろん絶対ではありませんが、勢いを見るのに、だいたい株価がどの位置にいるかをチェックするのは大事なことです。
押し目
「押し目」とは、株価にトレンドが発生してるとき、その少し逆を行くポイントのことを言います。
たとえば、株価が上昇トレンドにあるとします。
上昇トレンドといっても、一直線に右肩上がりに突き進むわけではありません。
どこかで少し休憩しながら(下がりながら)、また上昇していくという動きになります。
この「少し休憩」のポイントが「押し目」です。
チャートで見たときに、トレンドの方向とは逆に少しへこんでいる部分になります。

よく、「押し目拾い」なんて言葉を聞きますが、これは上昇途中の株を買うときに、上がったところで買うのではなく、少し下がったところ(押し目)で買うことを指します(下降トレンドの場合は、少し上がったところになります)。
押し目も、チャートで見ればすぐにわかります。
株のチャートにテクニカル指標を加える
株のチャートは、ローソク足だけで構成されるものではありません。
ローソク足の上に、いろいろなテクニカル指標を加えることで、さらに株価の動きを詳しく見ることができるようになります。
だいたいのチャートソフトで、初期設定だと
- 移動平均線
- 出来高
は表示されていると思います。
移動平均線は株価の動きを「線」で表したもので、流れが一目でパッと見られるすぐれた指標です。チャートに表示しておくことをオススメします。(>>移動平均線について詳しくはこちら)
出来高は、その時間帯に、どれだけの売買がされたかを示すものです。
以前に比べて多く売買されていれば、その銘柄に注目が集まってきているということです。銘柄の人気具合が見られるので、ざっくり見ておくといいでしょう。
他にも、チャートにはたくさんのテクニカル指標を加えることができます。
山ほどありすぎてワケがわからなくなると思うので、徐々に知識を増やしていきながら、使いやすいものを探してみてください。
どのテクニカル指標がすぐれているとかはありませんので、あなた自身のやり方にぴったり合うものを、時間をかけて探っていってくださいね。
まとめ
今回は「株のチャートの見方」について、わかりやすくまとめてみました。
チャートはとても奥深いものです。ただの株価のグラフといえど、そこから読み取れることはたくさんあります。
チャートをうまく利用すれば、それこそ大金を稼げるポテンシャルも株は秘めているわけです。
株で稼ぎたいのであれば、ぜひチャートの分析を追究して、株価の動きに慣れていってくださいね!
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。